車庫はバラバラの場所でも大丈夫か【一般貨物自動車運送事業】

一般貨物自動車運送事業の許可申請において要件のひとつとなっているのが、車庫の要件です。

大前提として一般貨物自動車運送事業では5台以上の車両を確保をする必要がありますが、その車両を保管するための車庫についても所在地とその使用権原についての証明を提出する必要があります。

しかしながら東京都内などの都市部においては、この車庫を確保するのは大変困難を伴うのが正直なところです。

注意

あまり知られていないことですが、許可の審査基準は各運輸局によって異なっています。それは貨物自動車運送事業法をもとに各運輸局の局長が審査基準を定める決まりとなっているためです。そのため玉藻行政書士事務所のコラムでは基本的に関東運輸局の審査基準についての解説となりますのでご注意ください。


通常、一般貨物自動車運送事業に関わらず、あらゆる車は車庫証明を取得することになっていますが、ここでいう車庫とはその車庫証明とは関係がありません。なぜならば車庫証明を取得するための条件一般貨物自動車運送事業における車庫の条件が違うためです。

一般貨物自動車運送事業における車庫の条件は以下の条文で規定されています。

(2) 車両と車庫の境界及び車両相互間の間隔が50センチメートル以上確保され、かつ、計画する事業用自動車のすべてを収容できるものであること。

http://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/jidou_koutu/kamotu/kamotu_jigyoukaisi/date/syorihousin_150601.pdf

通常の車庫証明では車両をすべて収めることが条件となっていますが、50センチメートル以上の余裕があることまでは求められていません。そのため車庫証明を取得している保管場所では一般貨物自動車運送事業における車庫としては不十分であることが多いのです。したがって車庫として新たに土地を確保する必要が出てくることもあるでしょう。

ここで問題となるのが事業で使用する車両すべてにおいて、同じ土地の敷地を車庫とする必要はあるのか?ということです。

結論から申しますと、車庫の場所はバラバラの場所でも大丈夫です。

(2) 車両と車庫の境界及び車両相互間の間隔が50センチメートル以上確保され、かつ、計画する事業用自動車のすべてを収容できるものであること

この『すべてを収容できる』というのは各車両がそれぞれの車庫に収まることについてであって、事業で使用する車両すべてが同じ土地に収容できることを求めているわけではありません。したがって飛び地のようにバラバラの場所でも大丈夫なのです。

ただそのバラバラの場所それぞれについて審査基準で定められている車庫の要件にあてはまる必要がありますので注意しましょう。