- ブルーライトは悪い効果だけではない
- 注意力の改善や記憶力の向上に役立つ
- 効果的にブルーライトを利用する方法
ブルーライトとは光の中に含まれる周波数が480nm前後の光のことを指します。
ブルーライトといえばスマホやPCのディスプレイから多く発せられ、「網膜へのダメージ」「目の疲れ・痛み」「睡眠障害」などの原因となると言われ、とにかくネガティブなイメージがあります。そのためブルーライトをカットするフィルムや眼鏡などが発売され人気を博しています。
しかしながら、最近の研究ではこの悪名高きブルーライトをうまく利用すれば
- 注意力の改善
- ワーキングメモリ(作業記憶)の向上
- 暗記力の向上
- 気分の改善
- 睡眠の質の向上
などの効果があることがわかってきました。
このコラムではブルーライトの効果と利用方法について詳しく解説していきます。
ブルーライトのポジティブな効果
ブルーライトを利用することで次のようなポジティブな効果があることがわかっています。
- 注意力の改善
- ワーキングメモリ(作業記憶)の向上
- 暗記力の向上
- 気分の改善
- 睡眠の質の向上
明るい青色光は注意、作業記憶、言語記憶および気分を改善することが多くの実験でわかっています。12345
今までブルーライトを見ることによって睡眠が妨げられるなどについては聞いたことがあると思いますが、まさにそれを逆手に取ることで生活を向上させることができると言うわけです。
なぜブルーライトが効果があるのか
光に照らされることは、人間の身体の生理機能に重要な影響を及ぼします。光のなかでも、昼間であることを知る方法としてブルーライト(~480nm)を利用するように人間は進化してきました。
我々の身体には約24時間の周期で変動する生理現象である概日リズムがありますが、ブルーライトはその概日リズムと覚醒を制御する重要な役割を担っているようです。
ブルーライトを見ると網膜神経節細胞の活性化され、視交叉上核へとシグナルを伝達します。その視交叉上核は概日リズムとメラトニン産生の調節に関与しています。68その結果、概日リズムが整えられるようです。
しかしブルーライトによるメラトニン産生の抑制により、覚醒度が高まっているわけではなく、実際には違うメソッドによるものと考えられています。ブルーライトの利用方法
40~200ルクスのブルーライトを朝に10~60分間あびる 青色の光のみを出す照明を使用する必要があります。 ルクスとは照明の明るさの程度を表す単位ですが、光源からの距離によって強度が変化しまので照明からあまり離れないようにしましょう。 最大値の200ルクスとはすこし暗めの書斎ぐらいで、そこまで明るい照明である必要がないことを示しています。実験では最小値の40ルクスでも効果がありましたが、より強度が高い方が効果が出やすいようです。 すでにお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、このブルーライトの利用方法は高照度光療法と呼ばれる白色の光を使った睡眠障害や冬季うつ病を改善するための治療法の一種とも言えす。 高照度光療法では2500ルクス以上の強い光を使う必要がありますが、ブルーライトの場合ではそこまで必要ありません。白い光にはブルーライト以外の周波数の光が含まれていますが、それらの光がブルーライトを阻害してしまうため、結果的に強い光でないと効果がでないと考えられているようです。 アメリカで高い信頼と評価を得ているのがPhilips社のgoLITE BLUです。いくつかの商品が発売されていますが、日本で入手しやすいのは今の所、下記の商品だけでのようです。 goLITE BLUは少々値段が高いので、↓のような投光器で代用するのも良いかもしれません ブルーライトはカフェインを摂取したときよりも認知機能と覚醒度を向上させることがわかっています。12またブルーライトとカフェインを併用することにより効果が高まるようです。13 激しいスポーツの前にカフェインを摂取すると効果的だという研究はよくされていますが、ブルーライトについてはまだよく研究されていません。もしかしたら、そのうちブルーライトも競技前に浴びるスポーツ選手が出てくるかも知れませんね。 ブルーライトは夕方すぎには利用しないようにしましょう。 ブルーライトには人体に覚醒を促す作用がありますので、睡眠を阻害してしまう作用もあります。そのため夕方すぎにブルーライトと浴びてしまうと概日リズムが狂ってしまい、睡眠障害になってしまう可能性があります。 また概日リズムを整えるために、太陽の周期と合わせるように、太陽が沈む夕方すぎにあらゆる人工的な照明は暗めに設定し、ブルーライトをカットする眼鏡をかけるようにすると良いでしょう。また寝る2時間前にはあらゆるデジタルのディスプレイは見ないようにしましょう。高照度光療法との違い
市販されているブルーライト装置
カフェインとの併用
ブルーライトの注意点