【倉庫業】関係法令への適合性について分かりやすく解説します【営業倉庫】

今回はシリーズ第五段として、倉庫の施設設備基準の『関係法令への適合性』について解説していきます。営業倉庫への申請にあたっては、倉庫業法が規定する審査基準に適合するだけでなく、関係法令に適合していることも必要です。

建築基準法消防法港湾法都市計画法の4種類が関係法令になります。

このページの読み方

上部の枠内に法令の条文を示し、その下に解説が書かれています。

前提条件

2-1 関係法令への適合性(則第3条の3第2号)

一類倉庫は、以下の法令に適合していることを要する。

解説

一類倉庫においては、今回解説する建築基準法、消防法、港湾法、都市計画法の4種類になりますが、他の種類の倉庫では違ってきます。以下に関係する法令について各種類の倉庫の一覧を掲載します。○は適合していることを必要で、×は不必要です。

建築基準法消防法港湾法都市計画法その他法令
1類倉庫×
2類倉庫×
3類倉庫×
野積倉庫××
水面倉庫××
貯蔵槽倉庫×
危険品倉庫
冷蔵倉庫

①保管物品に係る関係法令『消防法第11条、高圧ガス保安法第16条第1項、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律第36条第1項、石油コンビナート等災害防止法第5条第1項』

②『高圧ガス保安法、食品衛生法』


建築確認申請が必要な倉庫

建築基準法(告第2条第1号)

特殊建築物に該当する倉庫として使用される部分の面積が100㎡以上の建築物その他建築基準法第6条第1項各号に該当する倉庫については、建築基準法の規定(建築基準法第6条第1項の建築基準関係規定(後述)を含む。)に適合していることを要する。

解説

特殊建築物とは『住宅等に比べて用途が特殊な建物』のことです。住宅とは『専用住宅、事務所、銀行、宗教施設、役場』のことを指します。つまり倉庫に使用される部分の床面積が100㎡以上の場合は、特殊建築物として建築確認申請をすることになります。

また『その他建築基準法第6条第1項各号に該当する倉庫』とは、以下のいずれかにあてはまる倉庫です。

  • 木造の建築物で、階数が3階以上高さ13m以上軒の高さが9m以上の倉庫
  • 木造以外の建築物で、階数が2階以上の倉庫
  • 都市計画区域準都市計画区域都道府県知事が指定する区域内に建築する倉庫

つまりこの項目で述べているのは、建築確認申請をする必要がある倉庫の場合はちゃんと建築確認済証の交付を受けている必要があるということです。


建築確認申請が不必要な倉庫

建築基準関係規定(告第2条第2号)

建築基準法第6条第1項各号に該当しない倉庫については、建築基準法第6条第1項の建築基準関係規定のうち以下に掲げるものに適合していることを要する。

解説

建築確認申請をする必要がない倉庫については後述の3種類の法令に適合している必要があります。


消防用設備について

(1) 消防法第17条第1項

倉庫は、消防法上防火対象物とされているため、消防法第17条第1項に定める技術上の基準に従って、政令で定める消防の用に供する設備、消防用水及び消火活動上必要な施設を設置し、及び維持することを要する。

解説

消防法おいて防火対象物とされる建物には消防用設備とその定期点検を義務付けています。記述どおり倉庫は防火対象物ですので消防用設備と定期点検が必要となります。

建築確認をする場合には消防同意という形で消防機関の認定を受けられますが、建築確認をしない場合は別途確認を受けなければなりません。消防庁や消防署長に届出をして消防用設備等検査済証を交付してもらいます

定期点検『定期点検報告制度』と呼ばれています。消防設備士消防設備点検資格者に点検してもらい、消防庁や消防署長に報告します。

まずは消防署等の消防機関に出向き相談すると良いでしょう。


港湾地区にある倉庫について

(2) 港湾法第40条第1項

港湾法第39条第1項の規定に基づき港湾管理者が分区を設定している地域に設けられる倉庫にあっては、同条第40条第1項の規定により当該分区の用途に適合していることを要する。

解説

港湾法とは港湾の秩序ある整備と適正な運営のために、昭和25年に施工された法律です。港湾の数と敷地は限られていますので、無秩序に建物や構造物が乱立しないように規制をしています。

港湾法第39条第1項では、港湾管理者は臨港地区内を9種類の地区に分けられることを定めています。また第40条第1項では、その分けられた地区においてその目的を著しく阻害する建物や構造物を建設することを禁止しています。

つまりその分けられた地区に倉庫がある場合、その地区の目的と適合していることを証明する必要があるのです。証明には、港湾管理者が発行する書類が必要です。港湾局にご相談されると良いでしょう。

もちろんこの項目は、倉庫が港湾地区にない場合は不要です。


開発許可について

(3) 都市計画法第29条第1項又は第2項

都市計画区域等に設けられる倉庫にあっては、都市計画法第29条第1項又は第2項に規定するところによりその建築に際し開発許可を取得していることを要する。

解説

都市計画法第29条第1項又は第2項では開発許可をしなくても良い条件を定めています。

第1項では『小規模開発』であることが条件となっています。各区域において倉庫の規模によって開発許可が必要かどうかが変わってきます。

すこし分かりにくいので表にまとめてみました。以下は開発許可が不要になる規模を示したものです。

 

開発規模
都市計画区域市街化区域1,000㎡未満または500㎡未満は不要
市街化調整区域どの規模でも必要
未指定地域3,000㎡未満は不要
都市計画区域外その他10,000㎡未満は不要
その他地域10,000㎡未満は不要

次に第2項では『農林漁業用の建築物またはその業務者の居住用建築物』であることが条件とされていますが、営業倉庫はもちろんこの条件にあてはまりません。

つまり、ある程度の規模や市街化調整区域に倉庫を建てる場合は開発許可が必要となります。開発許可申請には事前に相談をすることが必須です。まずは市町村の担当窓口に連絡しましょう。


その他の施設基準について

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