禁煙したい人は知っておこう！タバコによるマインドコントロールについて

近年のタバコ対策によって、喫煙者の方はますます肩身の狭いをしているのではないでしょうか。

税金は増え、とうとう隅に追いやられていた喫煙場所さえ無くなり、健康診断のたびに医師にご忠告をいただければ、とうとう禁煙しようと考える方も多いと思います。

かく言う筆者の秋山もかつては喫煙をしていました。禁煙外来に行って飲み薬『チャンピックス』を貰い、無理なく禁煙を達成できたわけですが、その時に色々と気付かされたことがありました。

それは、タバコは喫煙者にマインドコントロールしてくると言うことです。

飲み薬の効果ももちろんありましたが、このマインドコントロールについて知ったため禁煙できたと言っても過言では無いと思っています。

禁煙を考えている皆様にもこのマインドコントロールについて是非知っていただきたいと思います。きっと喫煙が馬鹿らしくなることでしょう。

ずばりタバコによるマインドコントロールとは

タバコに含まれるニコチンには、精神的依存性と禁断症状を引き起こす作用があることはよく知れていると思います。精神的依存性とは、もっとタバコを吸いたいという強い欲求のことで、禁断症状とはニコチンが体内から少なくなるとイライラしたり気分が落ち込むといった症状のことを言います。

精神的依存性と禁断症状は両方ともタバコを吸っているときにはあまり意識することはありません。しかし禁煙中においてはこの２つが大きなボトルネックとなっているのはご存知の通りです。

しかし今回の記事のマインドコントロールは、上記の２つとは違い、吸っている時にこそ人間に影響を与えてくるのです。

そのマインドコントロールとは、
ずばり『ドーパミン分泌の乗っ取り』です。

ドーパミンとは脳で分泌される神経伝達物質の一種です。以下の感覚があった時に分泌され、ドーパミンにしか反応しない神経細胞であるドーパミン作動神経に作用し快感が得られます。

このように生きる上で喜びとなる場面においてドーパミンは分泌されます。極端な言い方をすれば人間はドーパミンを分泌するために生きている、なんて言われて方をするぐらいなのです。

恐ろしいことにタバコを吸い続けると、このドーパミンを自力で分泌することが出来なくなり、その能力をタバコに乗っ取られてしまうのです。

実はタバコに含まれるニコチン自身に強烈にドーパミンを分泌させる作用があるのです。たった数秒で肺から脳に届いたニコチンは、脳内のニコチン受容体に結合します。この結合によって強制的にドーパミンが分泌されます。

それまでは特定のシチューエーションでしか分泌されなかったドーパミンが、タバコをたった一口吸うだけであっという間に分泌されるわけですから、人間の脳はあっという間に強烈な分泌をもたらすタバコにしか反応しなくなってしまうのです。

これが喫煙によりドーパミンが自力で出せなくなる理由です。

ここでこういう風に思う方がいらっしゃるかも知れません。『自力で出せなくても、タバコでドーパミンがすぐ出るんだったら何も問題ないじゃないか』と。

本当に何も問題ないのでしょうか？

皆さんはこのような経験はないでしょうか。

上記について、『喫煙できない時間があった（ある）のでニコチンが切れて一服したくなったんだな』とお思いになるかも知れません。

違います。これらは本来は自力でドーパミンを出していたのに、自力で出せなくなったので代わりにタバコを吸いたくなってしまった場面なのです。

上の方で以下のような時にドーパミンが出ると書きました。

実は一服したい場面というのは、このドーパミンが分泌される場面を生活上の具体的な場面に書き換えただけなのです。これらドーパミンが分泌される場面＝タバコを吸いたい場面になっていることにお気づきになると思います。

本来なら以下のような因果関係になるはずなのです。

日々の生活の中で得られる些細な喜びや快楽や活力も、すべてタバコを吸いたいという欲求に書き換わってしまったのです。そしてタバコを吸うことでしたかそれらを得られなくなってしまうのです。

こんな馬鹿らしいことなんて他にあるでしょうか。

しかしこれこそがタバコによるマインドコントロールなのです。

精神的依存性や禁断症状よりももっとひどいタバコによる作用なのです。

さっさとタバコをやめて人間本来の喜びを自分の手に取り戻しましょう！

筆者の経験で、いざ禁煙をしようと考えると変な心配ごとが頭をかすめたことを覚えています。それは、こんな心配ごとでした。

今から思えば、これらの心配ごとは本当に馬鹿なことでした。これらのこと全ては自力でドーパミンを分泌できれば何も問題もないことばかりだったのです。しかし喫煙中はタバコによって乗っ取られ、マインドコントロールされている状態だったので、タバコによってしか解決できないと思い込んでいたのです。

結局のところ、タバコをやめて失うものは何もありませんでした。禁煙を考えている皆様も臆さずタバコさっさとやめてしまいましょう。

個人的には禁煙グッズなども色々市販されていますが、禁煙外来に行くことをおすすめします。もちろん要件さえ満たせば健康保険等が使えます！