現在の日本では認知症であったとしてもすぐに免許が失効するわけではなく、実際に認知症であっても自動車の運転には問題がない場合もあります。
今回は認知症または認知症の疑いのある高齢運転者の家族を持つ方へ向けて、そのまま運転していても大丈夫かどうか判断してもらうための家族による診断方法を掲載したいと思います。
①日常生活でのチェック
まずはご本人にヒアリングしたり運転時以外の日常生活を観察することで判断することが出来ます。
以下の項目に複数個あてはまる場合は安全に運転できなくってきたことの兆候です。
注意していただきたいのは、以前と比べて現在その傾向が特に強くなったと感じるかどうかで判断して下さい。可能であれば他の家族やご本人のご友人にもたずねて下さい。
- 空気を読めなくなった
- 距離と空間を判断するのが難しくなった
- 慣れ親しんだ場所で迷子になったり混乱するようになった
- 同時に複数の作業をするのが難しくなった
- よく物忘れをするようになった
- 周りに注意を向けなくなった
- 気分の落ち込みやイライラすることが多くなった
- 優柔不断になった
- 問題解決に時間がかかるようになった
以上の項目に複数個あてはまる場合は次の助手席でのチェックに進んで下さい。
あてはまらない場合でも短期間に大幅に運転技術が低下する可能性がるため、ご本人へのヒアリング、日常生活と運転時の観察は継続して下さい。
②助手席でのチェック
次の項目は運転時に助手席に同乗して確認できるものになっています。
一つでも項目にあてはまる場合は、すぐに運転はやめるように説得するための計画を立てる必要があるでしょう。
なぜならば運転に症状が現れてしまっているためです。
- 運転が極端に遅い
- 理由もなく進行をやめる
- 標識を無視する
- 慣れ親しんだルートで迷子になる
- 旋回、車線変更に問題がある
- 高速道路の出口を間違えた
- 逆走
- 歩行者や障害物、他の車両が見えていない
- 運転中に眠りに落ちそうになる
- 駐車がうまくできない
- 交通違反をよく起こす
- 運転時にイライラする
- 軽度の衝突事故を起こした
残念ながら上記の項目に一つでもあてはまってしまった場合はすでに運転には適していないと思われます。このままではさらに重大な事態を引き起こしてしまうでしょう。
チェックが終わったら
①日常生活でのチェックで複数項目あてはまり、②助手席でのチェックで項目の一つでもあてはまったら、運転をやめるように説得する準備を始めましょう。
注意していただきたいのは、「チェックにあてはまっているから運転をやめろ」とはすぐにご本人に伝えるのはやめて下さい。
ご本人がさらに頑固に運転に執着してしまう可能性があります。逆にご本人が納得したとしても自尊心を深く傷つけ悲しい思いをさせてしまうかもしれません。
アキヤマ
次の記事ではどのように説得の計画を立てるのか説明していきたいと思います。