今回はシリーズ最終回として1類倉庫のそ害防止設備の審査基準について解説します。
そ害(鼠害)とはネズミによる被害のことを指します。ネズミは食物ではなくても噛じる習性がありますので、預かった荷物の破損だけではなく倉庫設備の出火原因にもなります。設備基準を満たす目的としてではなく入念に対策するようにしましょう。
個人的な感想としては倉庫業法で求められているのは、あくまでも最低限の設備だという感じです。
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上部の枠内に法令の条文を示し、その下に解説が書かれています。
前提条件
倉庫業法施行規則第三条の四第2項十一より
国土交通大臣の定めるそ害の防止上有効な設備を有していること。
そ害の防止上有効な設備とは
倉庫業法施行規則等運用方針第3条の4第2項第12号より
2-12 そ害の防止設備(則第3条の4第2項第11号)
「そ害の防止設備」とは、以下のものを指す(告第11条)。
イ 地窓及び下水管又は下水溝に通じる部分からの庫内への鼠の侵入を防止するために設けられた金網等の設備
ロ 出入口が、扉により密閉できない構造となっている場合にあっては、出入口の閉鎖時において当該出入口からの鼠の侵入を防ぐために設けられた鼠返し等の設備
イ、ロそれぞれについてせ基準を満たしている必要があります。イは出入口以外の庫外とつながる部分の金網等の設置について、ロは出入口の設備についての項目となっています。
金網等の設置
基本用語
イ 地窓及び下水管又は下水溝に通じる部分からの庫内への鼠の侵入を防止するために設けられた金網等の設備
そ害をもたらすネズミには主にドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミの三種類がいますが、この中で最小のハツカネズミは1cmの隙間があれば通り抜けられると言われています。
そのため庫外とつながる部分には1cm以内の格子や網目の金具を設置します。
例えば床から排水をする場合は以下のような床排水トラップを使います。
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地窓とは床面に接した位置にある窓のことです。あまり倉庫で地窓がついているものはありませんが、防犯上の理由からも地窓がある場合は内側から金網で覆うようにしましょう。その他の場所についても隙間がある場合はパテで埋めてしまうか、範囲が大きければ金網で覆うように処置すると良いでしょう。
出入口の鼠返し
ロ 出入口が、扉により密閉できない構造となっている場合にあっては、出入口の閉鎖時において当該出入口からの鼠の侵入を防ぐために設けられた鼠返し等の設備
まとめ
すでに述べたように食べ物を扱う倉庫でなくともネズミのよる被害には気をつけなくてはなりません。倉庫業法で求められている設備だけでなく、できるだけネズミの侵入経路となる隙間を埋めるようにしましょう。
パテで埋めるには大きいような隙間は金網を丸めて押し込むようにすると良いでしょう。
国や各自治体によってネズミ対策についての手引きを出していますので、是非一読することをおすすめします。
参考
「都民のためのねずみ防除読本」(PDF:1724KB)東京都福祉保健局
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