【倉庫業】床の強度の審査基準について分かりやすく解説します【営業倉庫】

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先日は倉庫業の申請において軸組み・外壁・荷ずりの強度の審査基準についての記事を書かせていただきました。

【倉庫業】軸組み・外壁・荷ずりの強度の審査基準について分かりやすく解説します【営業倉庫】

せっかくですので他の項目の審査基準についても解説していこうと思い、シリーズ化することとしました。

今回は2回目ということで、床の強度について書いていこうと思います。

床についても倉庫業施行規則第3条の4第2項第2号において前回の軸組み・外壁・荷ずりと同様に以下のように規定されています。

軸組み、外壁又は荷ずり及び床の強度が、国土交通大臣の定める基準に適合していること

床は軸組み・外壁・荷ずりより分かりやすい構成になっています。

このページの読み方

上部の枠内に法令の条文を示し、その下に解説が書かれています。

前提条件

床の強度については、倉庫業法施行規則等運用方針において以下のように定められています。

(1)床は、3900N/㎡以上の積載荷重に耐える強度を有していなければならない(告第3条第2項)。

解説

3900N/㎡というのは1平方メートルあたり3900N(ニュートン)の重さということです。1Nは約0.102kgですので、3900Nは約397.8kgになります。つまり倉庫の積載荷重は1平方メートルあたり約400kg以上の荷物を置いても大丈夫でなければならない、ということです。もちろん、いちいち400kgの重りを持ち運んできて強度を測るわけではありません。建築士の先生がこの積載荷重に足りるように設計したことを証明していくのです。


検査済証がある倉庫について

(2) 建築確認を要する倉庫にあっては、建築基準法施行令第85条第3項の規定により、営業倉庫の床は3900N/㎡以上の積載荷重に耐える強度を要するとされていることから、告第1条第1項第1号に定める書類の提出をもって、当該基準を満たしているものとして取り扱うこととする。

解説

建築基準法施行令第85条第3項にこのようにあります。

3 倉庫業を営む倉庫における床の積載荷重は、第一項の規定によつて実況に応じて計算した数値が一平方メートルにつき三千九百ニュートン未満の場合においても、三千九百ニュートンとしなければならない。

これはどういう規定かというと、第1項には『建築物の各部の積載荷重は、当該建築物の実況に応じて計算しなければならない。』とありますが、営業倉庫の設計をする時は積載荷重を3900Nとしなければならないという意味です。

つまり、営業倉庫として設計された倉庫は当然3900N/㎡の積載荷重があるので、書類を提出して証明すれば良いということです。

検査済証2またはこれに準ずる書類ということになります。

準ずる書類についてですが、国土交通省は検査済証がない場合のガイドラインを公開しています。ご参照ください。


参考
「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関等を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」について国土交通省


検査済証がない倉庫について

(3) 建築確認を要しない倉庫にあっては、民間の建築士事務所その他の検査機関の行った検査により、当該床が3900N/㎡以上の積載荷重に耐えられる強度を有していることを証明することとする。

解説

建築基準法第2条第1号の規定により貯蔵槽に類する施設には建築確認が必要ありません。そのため検査済証がありませんので、積載荷重を証明する書類が別途必要になります。建築士の先生にお願いするか、検査機関に依頼することとなります。検査機関については第2項で上げた国土交通省のガイドラインが活用できると思われます。


参考
「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関等を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」について国土交通省


その他の施設基準について

倉庫業審査基準シリーズとしてその他の施設基準についても解説しています。ぜひご覧ください。


  1. 告とは倉庫業法第3条の登録の基準等に関する告示のことです
  2. 建物の建築が終わった後の完了検査にて発行される書類です