【早めの対策】自動車の名義変更をしないと起こりうる3つのトラブル

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現在、国土交通省では下のようなビラを作成し名義変更をするように広く知らせています。
罰金刑に処される場合あり!』とあります。
実際には罰金刑までいく事例はまれですが、名義変更をしないでいると他のトラブルが起こりうるのです。

自動車の個人売買で名義変更をする場合、新しい所有者が手続きをするのが一般的です。また、その際に前の所有者の印鑑証明書を預かることになると思いますが、その印鑑証明書の有効期限は3ヶ月ですので注意が必要です。

「印鑑証明書の有効期限3ヶ月の間に手続きをすれば良いか~」と気楽に構えている人も多いかもしれませんが、オススメしません。出来るだけ早く名義変更をするべきだと思います。

なぜオススメしないのか、この記事ではその理由を名義変更をすぐにしないでいると起こりうる3つのトラブルとしてご紹介していきたいと思います。

アキヤマ

面倒なトラブルが色々あるんです…

3つのトラブルとは

罰金刑以外にも起こりうるトラブルは

  1. 保険のトラブル
  2. 盗難のトラブル
  3. 税金のトラブル

1. 保険のトラブル

前の所有者の事故の責任を負うはめに

名義変更をせず前の所有者の名義が残ったままの自動車で保険に加入する際は、多くの保険会社では今後名義変更することを保険会社に約束し、所有者は自分だとして保険に加入することになります。

具体的な手続きでいうと、まず車検証のコピーに『名義変更手続き中です。 ◯年◯月◯日 氏名』などと空欄に一筆を書き入れ、確認書類として保険会社に提出します。そして実際に名義変更が出来たら新しい車検証のコピーを提出しなおす、という流れになります。

ここでいつまでも名義変更せずに放置していると、保険会社から新しい車検証を提出するように催促されることがあります。そして更にこの催促を無視していると保険契約における車両所有者を前の所有者に強制的に訂正されてしまいます。

これにより自動車保険において車両所有者の名義が他人になってしまうのも問題ですが、さらに厄介なことになる可能性があるのです。

それはデメリット等級の継承という問題です。

自動車保険において車両所有者が過去に事故を起こしており、その時の契約がデメリット等級になっていた場合は、その後に契約された自動車保険においても、車両所有者がその人であればあなたがデメリット等級を継承しなければならないのです。

【すぐわかる】自動車保険のデメリット等級とは

なぜ保険会社がそのようなことをするかというと、車両の所有者がいつまでも変わらないでいると、デメリット等級を逃れるのためにわざと契約者だけ変えたのでは?と疑い、契約者であるあなたに割高になった保険料を請求しようと考えるからです。つまり前の所有者が等級ダウンにより割増になった保険料を払いたくないためにあなたの名義を借りた、と考えるわけです。

デメリット等級逃れ

自動車の所有者がAのままなので保険会社はデメリット等級をBに負担させようとする

この等級制度およびデメリット等級は保険会社が共通で導入していますので、前の所有者と別の保険会社で加入していても適用されます。

名義変更をサボったばかりに、他人の起こした事故の責任を取らされてしまう可能性があるのです。

【番外】名義変更中でも保険は乗る初日から加入するようにしよう

トラブルとは関係ないのですが番外編

勘違いしている方もいらっしゃるので注意喚起として書いておきます。たまに「自分に名義変更してから自動車保険に入れば良いや」とそのまま乗っている方がいますが、絶対にやめましょう!

自動車保険は乗る初日から有効になるように加入しましょう。

自賠責保険は前の所有者名義のままでも使えますが、自動車保険は前の所有者名義の契約は使えません!

事故の賠償責任は事故を起こした運転者にありますので前の所有者は自動車保険を使ってあなたの事故の補償をする義務もメリットもないので保険を使ってはくれません。そして何より多くの場合は自動車保険はあなたに渡したその日に解約しているでしょう。

慣れない自動車に初めて乗ったその日に事故、なんてことはよくあります。

自動車を受け取る日が決まったら、あらかじめ前の所有者からFAXでも写メでも良いので車検証のコピーを貰いそれを手に保険会社か代理店に連絡し自動車保険に加入しましょう。

2. 盗難のトラブル

真の所有者はどっち?

もし自動車が盗難されてしまった場合、警察に盗難の被害届けを出すことになります。そして運良く盗難された自動車が発見された場合は、警察から持ち主に連絡がいきます。

さて、ここで持ち主とは一体誰のことを指すのでしょう?つまり自動車の「真の所有者」はどちらなのでしょう?

不動産の登記と同じように、自動車は国土交通省にて登録をすることにより一定の事項が広く他人に公示1されます。一定の事項とは車検証に記載されているような事項で、登録されている所有者の氏名と住所もあります。

しかし日本では登記や登録上の所有者が「真の所有者」だとはされていません。つまり名義変更をしていなかっただけで前の所有者が「真の所有者」になるわけではありません。ですので盗難された自動車が前の所有者のところに行ってしまうわけではないのでご安心ください。

ただ警察としては登録されている人と被害届けを出している人が違う場合は、どちらが「真の所有者」であるか確認する必要があるのです。

その際にあなたが警察に対して自分が「真の所有者」であることを証明する必要がでてきます。そうなると売買契約時の書類の提出などにより前の所有者にも迷惑を掛けることがあるかもしれません。また自動車保険にて盗難の保障を受けることが出来ても、保険金を受取るまで余計に時間が掛かってしまいます

そして事が公になっているので、国土交通省から冒頭のビラのように罰金を支払いを求められる可能性もあります。

ただでさえ不幸な盗難で更に不快な思いをしないように早めの名義変更をしましょう。

3. 税金のトラブル

4月前後の売買には注意

トラブルのなかで一番よくあるのが、この税金のトラブルではないでしょうか。

自動車税は4月1日時点で登録されている所有者に自動車税納税通知書が送られてきます。そのため3月31日までに名義変更をしていないでいると、前の所有者に自動車税納税通知書が行ってしまいます。前の所有者からあなたに連絡が来るのは良いほうで、納税も連絡もなしに放置されてしまうこともありえます。

自動車税の納付がされていないとデメリットは以下の3つです。

  • 車検を受けられない
  • 遅延金が発生する
  • 差し押さえを受ける

特に間近に車検がある自動車の場合は注意が必要です。車検のために車屋さんに持っていったその時に初めて気付くなんてこともあります。

通常は車検は有効期限の一ヶ月前以内に受けると思いますが、自動車税を納付していないばかりに車検の予定がギリギリになってしまう恐れもあるのです。

納付漏れを防ぐには以下の方法があります。

  • 3月31日までに名義変更をする
  • 前の所有者に頼んで自動車税納税通知書を送ってもらい自分で支払いをする

【番外】月割りできちっと分担

お金のトラブルは後を引くことも多いですから、出来れば自動車税に関してもきちっとしたほうが良いでしょう。

売買時期に限らず自動車税に関しては、月割計算しそれぞれ分担するのが通例です。

4月1日を区切りに前の所有者に月割計算した自動車税を支払うのが最も簡単な方法です。

例えば2月1日に売買をしたのなら1年分の自動車税の2/12、つまり1/6を代金に上乗せします。また取引時のやり取りでも代金に含める形ではなく上乗せする形で提示するほうが、トラブルを防ぐことになります。

まとめ

生活上ちょっとの遅れがその後の大きな面倒になってしまうことがあります。自動車の名義変更はその最たるものですね。この頃は自動車を個人売買する人が多くなって来ましたが、業者との取引と同じような感覚でやると見落としてしまうことがあります。

また自動車は事故という人生を大きく変えてしまう事も起こりうる乗り物です。
あの時にやっておけば良かった…なんてことの無いように早めの名義変更をするようにしましょう。

アキヤマ

早めの名義変更を!
  1. 公示とは契約の事実を広く第三者に伝えることです