民法を勉強をしていて、大きな関門となるのが債権の項目だと思います。一つ一つの場面は理解できても似たような文言が多く、どの条文についてなのか分からず混乱しがちですよね。
今回はそんな債権の4つの類型について、違いを理解し見分ける方法について解説したいと思います。たった1つのフローチャートをたどっていけば誰でも見分かるようになります。
フローチャート
以下の3つで判断します
- 契約関係(あり・なし)
- 発生時期(原始・後発)
- 債務者責任(あり・なし)
不法行為
故意または過失によって他人の権利または法律上の保護される権利を侵害し、これいによって損害を生じさせることです。民法709条により損害を賠償する責任を負うことになります。
契約関係「なし」
不法行為が成立するには契約関係を必要としません。つまり現実においては契約関係にあるならば不法行為にならない、というわけではありません。ただ試験問題として出される場合は、契約関係があるならば他の類型となる可能性が高いため、不法行為について述べてるわけではないことがほとんどです。
担保責任
売買契約の目的物に欠陥があり、このために買主が契約締結の時に予期した結果に反する場合に、売主が負うべき責任のことです。
契約関係「あり」・発生時期「原始」
民法においては問題の発生時期で類型を分けています。問題の発生時期が原始的、つまり元々問題がある物を売った場合は担保責任が発生します。
危険負担
双務契約上の債務の一方が債務者の責めに帰することができない事由によって消滅した場合に、他方の債務も消滅するか否かという問題のことです。
契約関係「あり」・発生時期「後発」・債務者責任「なし」
説明にもあるように、危険負担においては債務者の責任がないことが要件となっています。危険負担においては損害賠償責任は問題にならず、他方の債務が残るかどうかだけが問題になります。
債務不履行
債務者が債務の本旨に従った履行をしないことです。履行遅滞・履行不能・不完全履行の三種類があります。
契約関係「あり」・発生時期「後発」・債務者責任「あり」
債務不履行はとても範囲が大きい類型ですが、見分けるのは簡単です。債務者に責任があるのは債務不履行のみなので、その旨が明記されていれば全て債務不履行の問題となります。