アメリカにおいて公道での車同士の喧嘩などのトラブルは『Road Rage』(ロードレイジ)と呼ばれ、人々の大きな関心ごとになっています。日本に比べて法規制が緩いため、交通状況は思わしくなくトラブルも多いためです。
いまでもYoutubeでは『Road Rage』の動画が数多く投稿されています。日本でも車載動画は人気のコンテンツのひとつですが、アメリカのものはやはり中々の過激さです。
そして『Road Rage』を引き起こす主な犯人は『攻撃的な運転手』と呼ばれる人たちです。彼らはふとしたきっかけで目を付けた相手に危険行為を繰り返します。それが大型トラック相手であっても(!)です。
『攻撃的な運転手』のニュースで頻繁に取り上げられ、社会現象とまで言われました。あのスティーヴン・スピルバーグ監督は『激突!』という映画において執拗に嫌がらせをしてくる運転手をモチーフにしたほどです。
アメリカ自動車協会が1920年に設立した交通安全財団(AAA Foundation for Traffic Safety)の10年以上の調査『Psychology Today』のサイトにおいて推奨されていた対処法を要約してご紹介いたします。引用元:https://www.psychologytoday.com/us/blog/emotional-nourishment/201705/driving-while-angry
目次
まずは『攻撃的な運転手』について知ろう
なぜ彼らは攻撃してくるのか
通常、攻撃的な運転はドライバーの怒りの行動として表現したものです。しかしながら、『ぼーっとしている』か『危険を楽しんでいる』か『苦痛を感じている』場合にもそれを行う可能性があります。例えば、他の考えに心を奪われていて運転に集中していないので、あなたにピッタリとくっついて来てしまうこともあります。
怒るきっかけとは
交通渋滞、長い信号、道路状況だけが怒りにつながる原因ではありません。たとえば下記のような他のドライバーの行動も怒るきっかけとなり得ます。
- 携帯電話の使用
- メイクアップ
- 方向指示器の不使用
- 同乗者との会話に夢中になっている
- 急ブレーキ
どうやらこちらに対して罰を加えてやるという気持ちもあるようですね
どのようなことをしてくるのか
『攻撃的な運転手』と『Road Rage』は以下のようなことをしてきます。
まずは『攻撃的な運転手』
- ピッタリとくっついて来る
- スピードを上げる
- 方向指示器を使わずに車線変更をする
- 赤信号無視と停止標識無視
- 卑猥なジェスチャーや言葉による侮辱
- 車の間をジグザグに走り抜ける
- 追い抜き後の急な割り込み
次に『Road Rage』
- 意図的に車をぶつけてくる
- 殴り合いに変わる
- 他の車を道路外に押し出す
- 武器を使って運転手を攻撃する
日本語でいうならば『攻撃的な運転手』は煽り運転、『Road Rage』は危険運転罪とか傷害罪と言った感じでしょうか。
『攻撃的な運転手』に対してするべきこと
『攻撃的な運転手』に煽られるリスクを減らすためにいくつかのアドバイスがあります。このうちいくつかはAAA交通安全財団から引用しています。
- あなたがミスをした場合は、相手にジェスチャーで謝罪を伝えて下さい
- 何人かの『攻撃的な運転手』は謝罪を受け入れません。その場合はさっさと先に行かせて離れるようにしましょう
- 何の理由であれ後ろをピッタリとくっついて走らないようにしましょう
- 危険な状況になった際に報復としてクラクションを鳴らすのではなく安全上の理由から鳴らすようにしましょう
- 付け回されている場合は他人が多くいる場所に移動しましょう。絶対に家に帰らないように
- 極度な緊張状態の後に怒りや興奮が静まらない場合は、できるだけ早く車を留め、落ち着いてから再度発進しましょう
- 他のドライバーが危険にさらされているのを見たら、警察に通報することができます
和訳していて気付いたのですが、この記事を書いた心理学者の先生は、暗に状況によってはあなたも『攻撃的な運転手』になる可能性を示唆しているようです。
自分が『攻撃的な運転手』にならないために
『攻撃的な運転手』になってしまうリスクを減らすいくつかの方法があります。
- 絶対に飲酒運転をしない
- 渋滞がない時間に運転したり、時間に余裕を持って運転する
- 運転中に音楽やラジオ、ポッドキャストなどを流してリラックスに努める
- 快適な温度、シート、服装、丁度いい具合のフレグランス
- 身体ともに休める
- 気を付けながらも景色を楽しんで下さい
- 「深く」「必死になる」思考をしないようにしましょう(例えば結婚式に招待する人を選ぶような)
私たちは道を共有して使用していることを忘れないようにしましょう。誰一人その道を所有なんてしていません。もし他の運転手が道を我が物としようとしたら、そのままにしておきましょう。その間違いを正すことはリスクを取るほどは価値がありません。
アメリカの心理学者の先生は『攻撃的な運転手』や『Road Rage』は一方が完全に悪者ではなくて、お互いにどこかに状況を悪化させる要因があるように思っているようです。