幅員証明書とは?読み方・なぜ必要なのか・取得方法を分かりやすく解説

一般貨物自動車運送業で車庫を探している時に『幅員証明書を取ってきてください』と言われることがあるかも知れません。このコラムでは幅員証明書とは一体何なのか、なぜ必要なのかを分かりやすく解説できたらと思います。

幅員証明書の読み方

「ふくいんしょうめいしょ」です。

幅員(ふくいん)とは、「よこの長さ」という意味です。つまり幅のことです。

幅員証明書とは?

その道路の道路管理者である各自治体が発行してくれる、道路の幅を証明する書類です。

自治体により書式は違いますが、大方その道路の幅が何mか、またどのような道路なのかについて記されています。

なぜ必要なのか

そもそもなぜ、幅員証明書の提出が必要となるのでしょうか。

自動車運送事業(バス、タクシー、トラック事業等)を行う場合は、運輸局の審査を経て国から許可証が交付される必要があります。

国が許可を与える事業者は、当たり前ですがあらゆる法令を遵守している必要があるわけです。(なにかしら違法なことをしている事業者に国は許可は出せません。)

あらゆる法令の中でも幅員証明書は『車両制限令』を遵守していることを証明する書類なのです。

車両制限令とは

トラックなど大きな車両を運転しない多くの人は知らないかもしれませんが、日本の公道ではその道路の幅に対して通行できる車両の幅が制限されています。

日本には古く狭い道路も多くありますので、道路の構造を保全し、交通の危険を防止するために車両制限令によって通れる車両を制限しているのです。

つまり自動車運送事業で使用する車庫の前面道路が狭すぎる場合、トラックなどの大型の車両を出し入れしてしまうと車両制限令に違反してしまうことがあり得るわけです。

そのため幅員証明書によって、車庫の前面道路が大型車両を出し入れするために十分な幅を有していることを証明する必要が出てくるわけです。

車両制限令による道路分類一覧

車両制限令では一律的に、道幅に対して通行可能な車両の幅が決まっているわけではありません。

市街地ではない所では規制は緩いですし、市街地であっても通行量が少なければそこまで厳しくはありません。

車両制限令の第5条と第6条によって道路は計6種類に分類されています。

以下は車両の幅が2.5mであるトラックが通行するために必要な幅員を示した一覧です。

道路の種類通行可能車両幅トラックが通るために必要な幅員車両制限令
市街地区域内一般市街地通常(車道幅員-0.5m)÷25.5m以上第5条第2項
極小指定・一方通行※1車道幅員-0.5m3.0m以上第5条第1項
歩道の無い駅前・繁華街通常(車道幅員-1.5m)÷26.5m以上第5条第3項
極小指定・一方通行※1車道幅員-1m3.5m以上
市街地区域外 一方通行・待避所※2車道幅員-0.5m3.0m以上第6条第1項
通常車道幅員÷25.0m以上第6条第2項

※1 道路管理者が自動車の交通量がきわめて少ないと認めて指定したもの又は一方通行とされているもの
※2 一方通行とされているもの又はその道路におおむね三百メートル以内の区間ごとに待避所があるもの

例えば車庫の前面道路が5mしかないのに、一般市街地の通常の道路であった場合は、幅2.5mのトラックが通行することはできません。つまり自動車運送業においてその車庫を使用することはできないのです。

道路の種類は幅員証明書を取らないとわからない

一覧には「一般市街地」「歩道の無い駅前・繁華街」「極小指定」などの文言がありますが、これはあくまでその道路の管理者である各自治体が指定したものです。そのため自分の判断で「ここは人通りが少ないからきっと極小指定されているだろう」と思っていても、実際は極小指定されておらず、トラックが通るために5.5mの幅員が必要だったなんてことがあり得るわけです。

車庫の契約の前に幅員証明書を取ろう

実際どの道路に分類されているかどうかは幅員証明書を取らないと分からないので、もしあなたが自動車運送業のために車庫を必要としているならば、その車庫の契約の前に幅員証明書を取って確認するようにしましょう。

どうやって取得するのか

幅員証明書はその道路を管理する各自治体に発行してもらい、取得します。

しかしながらその発行申請の方法は、各自治体によってバラバラです。

インターネットで「自治体名 + 幅員証明書」と検索するとだいたい自治体のサイトで発行申請の方法をお知らせしています。もし無い場合は、直接電話して聞くと良いでしょう。

費用は300~700円で、即日発行してくれる自治体もあれば1~2週間かかる自治体もありますので、あらかじめ確認することをおすすめします。