一般貨物自動車運送事業で認可申請となる事業計画変更とは?事業規模拡大申請についても分かりやすく解説します

一般貨物自動車運送事業において事業計画に変更があると、所轄の運輸支局に変更申請を提出することになります。その変更申請には大きく分けて「事前届出」「事後届出」「認可申請」の3種類あり、提出するタイミングも審査の難易度も違ってきます。

提出のタイミング難易度
事前届出変更前易しい
事後届出変更後易しい
認可申請変更前難しい

今回のコラムでは、この3種類の中で一番難易度が高い認可申請について解説していきたいと思います。また事業規模拡大申請と呼ばれる認可申請のうちのひとつについても解説しておりますので、ぜひご覧ください。

事前届出・事後届出と比べて重要度の高い事業計画の変更がなされる場合に、認可申請となります。そのため審査基準を満たしていない場合は、認可が降りないこともあります。

それではどのような変更が認可申請となるか見ていきましょう。

認可申請となる事業計画変更

認可申請となる事業計画変更は以下の一覧となります。

  • 営業所の名称及び位置
  • 休憩・睡眠施設の位置及び収容能力
  • 自動車車庫の位置及び収容能力
  • 利用運送を行うかどうかの別

認可申請となる手続き

また変更事項が事業計画以外のものでも認可申請となる手続きがあります。以下がその一覧となります。

  • 事業の譲渡し及び譲受け
  • 事業者たる法人の合併又は分割
  • 事業者が死亡した場合の相続
  • 運送約款の変更
  • 輸送の安全に関する業務の管理の受委託

これらの事項が発生する場合はあらかじめ変更申請を運輸支局に提出し、認可を得る必要があります。審査には1~4ヶ月かかりますので、おおよそは半年前から申請の準備をすると良いでしょう。

認可申請となる車両の増減車

新たに令和元年11月の貨物運送業法の改正により、以下のように車両が増減車する場合にも認可申請となりました。

以下の3つのケースがありますのでそれぞれ解説します。

  1. 営業所の最低車両台数(5両)を下回るケース
  2. 法令遵守が十分でないおそれがある場合に増車するケース
  3. 保有車両数から大幅に増車するケース

1.営業所の最低車両台数(5両)を下回るケース

最低車両台数(5両)を下回る減車や下回ったままの増車は特定の条件をクリアしていないと認められません。

減車によって車両数が5両未満となる場合

災害等により車両が使用不能となり、これに代わる車両が確保されるまでの間におけるものである場合に限り認可(事故・故障などで使用不能の場合は、具体的な計画書を添付する)

増車しても5両未満の場合

基準に適合させるための適切な事業計画を有してると認められたらば認可(増車して5両以上であれば通常の届出となります)

国の指針として、できるだけ最低車両台数(5両)を上回るように努力してほしいという意向があるようですね。

2.法令遵守が十分でないおそれがある場合に増車するケース

最低車両台数(5両)を上回っていても、次の1~3のうちのひとつでも当てはまった状態で増車する場合には認可申請となります。

  1. 変更を行うとする者とその密接関係者※が運送事業の許可の取消を受け、その取消の日から5年を経過しない者である場合
  2. 変更に係る営業所において行政処分の累積違反点数が12点以上である場合
  3. 変更に係る営業所について、申請日前1年間に巡回指導による総合評価が「E」判定の場合

事業規模拡大申請に該当するため、特別な基準によって審査されます

密接関係者とは
  • 議決権の過半数を所有している(株式会社の場合)
  • 資本金の1/2を超える額を出資している(持分会社の場合)
  • 事業方針の決定について、上記と同等以上の支配力を有している

3.保有車両数から大幅に増車するケース

増車する車両数が、11両以上であり、さらに申請日から起算して3ヶ月前の時点の車両数の30%以上である。

事業規模拡大申請に該当するため、特別な基準によって審査されます

例えば
3ヶ月前に15両であった営業所で、一気に12両増車する場合は、11両以上であり、なおかつ3ヶ月前の時点の車両数の80%となるので、事業規模拡大申請に該当します。

事業規模拡大申請とは

前述の車両の増減車における「2.法令遵守が十分でないおそれ(次の1~3)がある場合に増車するケース」と「3.保有車両数から大幅に増車するケース」では他の認可申請とは違う基準によって審査されます。このような認可申請を事業規模拡大申請といいます。

事業規模拡大申請においては法令遵守がなされていることが重要となります。以下の1~6を全て満たしていなければ審査を通過することはできません。

  1. 申請日前6ヶ月間(悪質な違反の場合は1年間)又は申請日以降に、当該申請地を管轄する地方運輸局長又は当該申請地を管轄する地方運輸局内の支局長から貨物自動車運送事業法又は道路運送法の違反による自動車その他の輸送施設の使用停止以上の処分又は使用制限(禁止)処分を受けた者(当該処分を受けた者が法人である場合における当該処分を受けた法人の処分を受ける原因となった事項が発生した当時、現に当該処分を受けた法人の業務を執行する役員として存在していた者を含む。)でないこと。
  2. 申請日前3ヶ月間又は申請日以降に、申請に係る営業所(営業所の新設を行う場合にあっては、申請地を管轄する地方運輸局内における全ての営業所)に関し、地方実施機関が行う巡回指導による総合評価において「E」の評価を受けた者でないこと(当該巡回指導により指摘を受けた全ての項目について、当該巡回指導に係る地方実施機関に対して改善報告を行っている場合を除く。)。
  3. 申請日前3ヶ月間又は申請日以降に、当該申請に係る営業所に関して、自らの責による重大事故を発生させていないこと。
  4. 申請に係る営業所を管轄する運輸支局内における全ての営業所に配置している事業用自動車について、有効な自動車検査証の交付を受けていること(特別な事情がある場合を除く。)。
  5. 貨物自動車運送事業法第60条第1項及び同項に基づく貨物自動車運送事業報告規則による事業報告書、事業実績報告書及び運賃・料金の届出並びにその他の報告の徴収について、届出・報告義務違反がないこと。
  6. 施行規則第12条に該当する場合を除き、運送の役務の対価としての運賃(以下「運賃」という。)と運送の役務以外の役務又は特別に生ずる費用にかかる料金(以下「料金」という。)とを区分して収受する旨が明確に定められている運送約款を使用していること。

少々わかりにくいので、簡単に言うとこのような感じになります

  1. 非常勤の役員も含めて申請日前6ヶ月間(悪質な違反は1年間)または申請日移行に、行政処分を受けていないこと
  2. 申請日前3ヶ月間または申請日以降に、巡回指導において総合評価で「E」判定を受けていないこと
  3. 申請日前3ヶ月間または申請日以降に、自らの責による重大事故を発生させていないこと
  4. 特別な事情がある場合を除いて、全てのトラックの自動車検査証の有効期限が切れていないこと
  5. 事業報告書、事業実績報告書、運賃・料金の届出、それぞれについて報告・届出義務違反がないこと
  6. 運送の対価としての「運賃」とそれ以外のサービスの対価としての「料金」を区別して領収することを明記した約款を使用していること

おおよそ最低限の法令遵守をしていればクリアできる要件となっています。ただ1.の行政処分を受けていないという要件は、代表者だけでなくて非常勤の役員も問われますので、何かしらの行政処分を受けた場合はあらかじめ役員変更の届出をしておくことも大事なこととなります。


玉藻行政書士事務所では貨物運送業(一般貨物自動車運送事業)の各種申請について取り扱っております。お気軽にご相談ください。

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対応範囲東京都・千葉県北西部・埼玉県
新規許可取得380,000円(税抜)~
事業計画の変更認可申請40,000円(税抜)~
事業計画の変更事前・事後届出20,000円(税抜)~