一般貨物自動車運送業を行う場合、有名な『貨物自動車運送事業法』だけを遵守するだけではなく、多くの関係法令にも目を配らなくてはなりません。このコラムではその関係法令の一覧と、どういった法令なのか簡単に説明を添えてご紹介したいと思います。
運送業に関する法令
まずは基本となる運送業そのものについて定めた法令です。
貨物自動車運送事業法
貨物自動車運送事業を行うにあたっては、基本的かつ最も重要な法律となります。
貨物自動車運送事業法施行規則
貨物自動車運送事業法を施行するにあたって細かな取り決めについて定めた国土交通大臣による省令です。
貨物自動車運送事業報告規則
貨物自動車運送事を営む者は事業報告書を毎事業年度の経過後100 日以内までに提出する義務がありますが、その事項についての規則を定めた国土交通大臣による省令です。
貨物自動車運送事業輸送安全規則
貨物自動車運送事業法を補足する形で、輸送の安全の確保に関する事項について定めた国土交通大臣による省令です
自動車事故報告規則
貨物自動車運送事業を営む者は指定された事故が発生した場合は、自動車事故報告書を提出する義務がありますが、その事項についての規則を定めた国土交通大臣による省令です。
貨物利用運送事業法
貨物自動車運送事業の中でも、運送事業者の行う運送を利用してする貨物の運送のことを『利用運送』といいます。自身が実際に荷物を運ぶ『実運送』とは違う業態ですので貨物自動車運送事業法を補足する形で法律が定められています。
貨物利用運送事業法施行規則
貨物利用運送事業法を施行するにあたって細かな取り決めについて定めた国土交通大臣による省令です。
道路運送法
貨物自動車運送事業と似ている業態である『 旅客自動車運送事業』について定めた法律です。また有料自動車道路についても規定されています。(昔は貨物自動車運送事業もこの法律で定めてられていましたが独立しました。)
車両および道路に関する法令
運送業では貨物自動車で道路を走行しますので、車両および道路に関しての法令も関係してきます。
道路運送車両法
自動車、原動機付自転車及び軽車両に関しての登録や車検(検査・整備)について定めた法律です。
道路運送車両法施行令
道路運送車両法を実施するために制定された政令です。
道路運送車両法施行規則
道路運送車両法および道路運送車両法施行令を実施するために細かく規定した運輸省の省令です。
道路運送車両の保安基準
道路運送車両法の第3条の保安基準について細かく規定した運輸省の省令です。
車両制限令
道路の構造を保全し、交通の危険を防止するために、指定された道路においては車両の通行を制限するように定めた政令です。
自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法
ディーゼル自動車から排出される窒素酸化物を抑制することを目的に制定された法律です。指定された地域で登録された車両が対象となります。略して『自動車NOx・PM法』と呼ばれています。
土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法
土砂等を運搬する大型自動車(ダンプカー)を使用する場合は使用届出を提出して、表示番号の指定を受けることとする法律です。
交通に関する法令
実際に車両で道路を通行する際に守るべき交通ルールについてです。
道路交通法
道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的として定められた法律です。
税金等に関する法令
貨物自動車運送業を営むにあたって関係してくる税金等の法令です。
自動車損害賠償保障法
自動車の強制保険である所謂『自賠責』について定めた法律です。
登録免許税法
登録免許税は登記、登録、特許、免許、許可、認可、認定、指定及び技能証明をする場合に課税される国税です。一般貨物自動車運送事業の許可では12万円の登録免許税が課税されます。
自動車重量税法
自動車重量税は、車検などの際に自動車の重量等に応じて課税される国税です。
労働に関する法令
一般貨物自動車運送業では最低5人の運転手を使用することとなります。そのため労働者に関する法令もきっちりと遵守する必要があります。労働に関する法令は数多くありますので、このコラムでは運送業に関連する基本的な法令をご紹介します。詳しいことは社会保険労務士の先生に尋ねていただくと良いと思います。
労働基準法
労働者の権利を認め、不健全な雇用関係から保護するために定められた法律です。この労働基準法の最低基準に満たない労働契約は自動的に置き換えられることになります。
労働安全衛生法
労働者の安全と衛生のための基準を定めた法律です。労働災害を防止するための対策や計画について記されています。
自動車運転者の労働時間の改善のための基準
運転者の勤務時間を制限するために労働省が告示した基準です。貨物自動車運送事業では、1月の拘束時間の上限は293時間(労使協定で定めた場合は320時間)、1日の拘束時間の上限は13時間(延長した場合でも16時間)となっています。
契約に関する法令
運送契約や傭車契約を締結するにあたって気を付けたい契約についての法律です。
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
所謂『独占禁止法』と呼ばれるものです。公正かつ自由な競争を促進し,事業者が自主的な判断で自由に活動できるようにすることを目的に制定されました。とても長く複雑な法律ですので、気になる場合は公正取引委員会に相談窓口がありますので、連絡してみると良いでしょう。
下請代金支払遅延等防止法
親事業者の下請事業者に対する取引を公正にするために、親事業者の義務と禁止行為を定めた法律です。義務として『発注書面の交付義務』など、禁止行為は『受領拒否の禁止』などがあります。
玉藻行政書士事務所では貨物運送業(一般貨物自動車運送事業)の各種申請について取り扱っております。お気軽にご相談ください。
対応範囲 | 東京都・千葉県北西部・埼玉県 |
新規許可取得 | 380,000円(税抜)~ |
事業計画の変更許可申請 | 40,000円(税抜)~ |
事業計画の変更事前・事後届出 | 20,000円(税抜)~ |